カウンセリング販売
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化粧品業界の基礎知識

制度品化粧品とは

制度化粧品は、以前はよく使われた言葉ですが、現在はほとんど使われることがなくなりました。最近では主にカウンセリング化粧品と呼ばれています。この記事では制度化粧品の意味と、その内容や歴史などについてご説明します。

制度化粧品とは何でしょうか

制度品化粧品とは、制度品システムの下で取り扱われる化粧品のことです。制度品 システムとは、化粧品メーカーが、直接、小売店と契約して、商品を販売するシステ ムです。

この直接の中には、メーカー系列の販売会社を通じて販売することも含みます。したがって、小売店が制度品化粧品を仕入れたいと思ったら、化粧品メーカーと 販売契約書を交わす必要があります。

制度品化粧品は、化粧品アドバイザーなどカウンセリング専門の販売員がいないと契約してもらえないことから、最近ではカウンセリング化粧品という名称で呼ばれることが多いです。

制度品システムの内容はどのようなものでしょうか

制度品システムの内容はどのようなものでしょうか?制度品システムの契約内容は、化粧品メーカーごとに異なっていますが、全体的に 見ると、次のような特徴があります。

①コーナー制度

化粧品店を見ると、メーカーブランドごとに仕切られた売場になっていることが多いと 思いますが、これは化粧品メーカーが自社のブランドコーナーをつくって、小売店に 貸与しているのです。

言い換えれば、化粧品メーカーが、小売店のスペースを占有し ているとも考えられます。これにより、メーカーは、自社のブランドイメージを保ってい るのです。

③顧客組織制度②美容部員制度

美容部員とは、小売店の化粧品コーナーに立つ化粧品販売員のことですが、小売店 ではなく、化粧品メーカーに所属する社員です。つまり、給与や社会保険などはメーカーから 支給されているのです。

化粧品メーカーから専門的な教育訓練を受けています。小売 店にとっては、人件費の負担がないというメリットがあります。

③顧客組織制度

化粧品メーカーが顧客を囲い込むために、顧客組織制度が作られています。小売店 の店頭で会員登録しておくと、毎月会員誌が届くなど各種の情報提供がなされた上、 年間の購入金額に応じて記念品がもらえるという特典があります。

④その他の支援

その他、制度品メーカーでは、メイクアップのテスター、店頭POP、サンプル、 ダイレクトメールなど、数多くの販促助成物を無償で提供しています。また、化粧 品小売店の志気を高めるために、年間の販売額に応じた表彰制度も採用しています。

制度品システムの歴史

1923年に資生堂支配人松本氏が「資生堂連鎖店」を発案したのが、制度品システム の誕生と言われています。この時の内容は、地区テリトリー制の問屋制度、保証金制 度、資生堂製品の全品取扱および連鎖店での独占販売が主な内容でした。

この制 度は、化粧品小売店に歓迎され、資生堂と契約する小売店が増えました。資生堂は、 契約を結んだ小売店にしか商品を卸さないので、小売店は定価販売しました。

1953 年には独禁法の一部改正があり、化粧品は再販価格維持が認められるようになった ので、資生堂は出荷停止も伴う、厳重な販売価格の統制を行いました。

1974年に は1001円以上の化粧品は再販制度の対象外となり、1997年にはすべての化粧品 の再販制度は撤廃されましたが、長い歴史の中で、制度化粧品の定価販売が守られ てきたのです。

制度品システムを採用しているメーカー

その後、資生堂以外にも制度品システムを採用するメーカーが追随しましたが、制度 品システムを維持するためには多額の費用が必要になるために、限られた企業のみ が、この制度を保っています。

制度品システムを取っている主なメーカーは、資生堂、 カネボウ、コーセー、花王、マックスファクター、アルビオン、レブロンです。ちなみにアルビオンはコーセーの連結子会社です。

制度品システムの契約店の名称

制度品システムを採用しているメーカーによる契約店の名称は次の通りです。資生 堂は「チェイン店」、カネボウは「チェーン店」、コーセーは「リングストア」。

マックスファ クターは「パートナーストア」、アルビオンは「ジョイントストア」、レブロンは「フランチャ イズストア」です。

制度品システムの顧客組織の名称

制度品システムを採用しているメーカーによる顧客組織の名称は次の通りです。 資生堂は、「花椿会」、カネボウは「ベル会」、コーセーは「カトレア会」、マックスファク ターは「マックスファクタークラブ」、アルビオンは「孔雀会」です。

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